第366回 りぼんNEW漫画スクール (りぼん 2000年 4月号) |
作品タイトル | 枚数 | 名前 | 年齢 | 出身地 |
最後の日 | 32 | 加藤みずき | 18 | 埼玉 |
成績:佳作/第75回シーズンベスト賞 りぼんオリジナル 2000年 4月号にてデビュー掲載 前回成績:361回努力賞 |
[ストーリー]由佳理の彼・中里は、北海道に引っ越すことになった。別れることを決めた2人は、今日、最後のデートをする…。 |
[評]表現のうまさが感じられるセンスあふれる作品です。登場人物は、由佳理と中里のほとんど2人だけ。しかも、話の展開も、2人で待ち合わせ、街を歩き、駅で別れるまでだけを描いたものです。それなのに、読みごたえのある話になっています。 まず、感情表現が上手です。最後のデートということを意識して、いつも通りに自然に話せない2人の様子がよく描けています。いつもの様子を描いているわけでも、言葉で説明しているわけでもないのに、今日はぎこちないんだな、というのを読者に伝えることができています。それは、それぞれの感情を絵でちゃんと表すことができているからです。話の流れの上で肝心な場面で、表情をアップでしっかり描き、それぞれが何を考えているか見せることができているからだと思います。アップばかりを使うのではなく、場面全体を見せるコマも効果的に使えています。 全体にセリフやモノローグが少なく、絵で読ませることに成功していて、映像を見ているような雰囲気の作品に仕上がっています。また、ぎこちない雰囲気の2人なのに、由佳理あてに男友達から「中里と別れるならつきあおう」と電話がかかってきたりと、いいタイミングで読者をドキドキさせる事件も起きます。2人がつきあうきっかけが話の伏線として最後まで生きてくるなど、話の構成のうまさも感じさせます。 絵柄そのものも上手に描けています。描線もていねいです。ただ、背景などの細かいところが少し雑な気がします。そういった所までていねいに気を抜かずに描くように気をつけましょう。 加藤さんは、よくある設定や展開でも読みごたえのある話を作ることができるセンスがあると思います。これからもいろんな話に挑戦することで、さらに実力をつけていってください。どんな話を読ませてくれるのか、今から楽しみにしています。 |
得点 | |||||
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絵 | ストーリー | ||||
キャラの顔等の魅力 | 6 | 19 | キャラ性格等の魅力 | 7 | 20 |
構図 | 6 | ネーム | 7 | ||
表現力 | 7 | ストーリー | 6 | ||
センス | 32 | ||||
総合 | 71 |